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作り手のご紹介
【 片瀬有美子 】
1988年 長野県安曇野に生まれる。
2010年 女子美術大学短期大学部 陶芸メタルコース 卒業
2012年 多治見陶磁器意匠研究所 デザインコース 修了
2013年 多治見陶磁器意匠研究所 セラミックラボ 修了
2014年 金沢卯辰山工芸工房 入所
2017年 金沢卯辰山工芸工房 修了
2017年 富山県南砺市にて独立
2020年 長野県安曇野に拠点を移す。
2021年 glass&porcelain studio touca 設立
2013年 第31回長三賞常滑陶芸展 審査員特別賞
2014年 第10回国際陶磁器展美濃 入選
2014年 第3回そば猪口アート公募展 準大賞
2014年 伊丹クラフト展 「酒器・酒盃台」 審査員賞
2016年 金沢工芸展 金沢市長奨励賞
2017年 金沢卯辰山工芸工房 工房賞
2017年 第11回国際陶磁器展美濃 入賞
片瀬さんの作品の特徴であるmocaシリーズは、
19世紀イギリスで生まれた陶芸技法「moca ware」を応用した作品です。
日本人に馴染みがないため、「moca」と名付けられました。
本来は、土物の素地に化粧土を掛けた後にモカウェアを施すのですが、
オリジナルとして素材を磁土に置き換え、化粧土は使用していません。
そして下絵具を3、4種類用いることで
透光性のある磁土に水彩画のようなグラデーションが溶けるようにして馴染みます。
一番大切にしていることは、透明感だそうです。
石膏型に磁土の泥を流しいれ、肉厚がついた頃に排泥し、
間髪入れずに絵具を筆で落とし、泥に模様を這わせています。
泥が乾くと絵具が広がらないため、
それまでの1分間、精神を集中させて模様を施しています。
模様の中心などにある凹みは、筆を用いて絵具を落とした際の筆跡です。
模様を這わせる成分として顔料にタバコの煮汁を加えていますが、
焼成する際に高温によりタバコの成分は焼き飛んでいますのでご安心ください。
白いキャンバスに広がる植物や珊瑚のような不思議な模様は、
作家の意図と偶然によって生まれ、同じものは一つとしてありません。
作品の滑らかな感触、優しい色味は片瀬さんのお人柄を表しているようです。
ぜひお手に取っていただければ幸いです。
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